特に多く使っているのは、GPSナビゲーションシステムの第一人者である「ガーミン」のギアたち。サイクリングやフィットネス機器、アクションカメラ、航空機の計器システムなどを開発しているガーミンは、陸海空の全てのジャンルで高く評価されている上にデザインも洗練されているので、デジタルギアとしても魅力的だ。
現在はGPSゴルフナビの「アプローチ G80」とGPSゴルフウォッチの「アプローチ S60」、そしてクラブトラッキングセンサーの「CT10」を愛用しており、練習&経験不足を補っているところだ。
この3つのギアの組み合わせには何の不満はないのだが、一つだけ困った点があった。それは「アプローチ S60」の連続使用時間だ。購入した当時は、不便はなかったが、何年か使っているうちに駆動時間が短くなり、今では1ラウンド持たないようになってしまった。これは大問題である。
だからこそ「アプローチS62」の発売を心待ちにしていた。なにせ懸案だった連続使用時間は、S60の10時間からS62は20時間へと大きく伸長している。バッテリーが大きくなった分、ケース径は1㎜拡大の47㎜となり厚みや重さも増しているが、それでもスイングに影響が出るレベルではない。むしろ液晶サイズが大きくなったので、視認性が向上しているともいえるだろう。
しかも今回紹介するモデルは、クラブトラッキングセンサー「CT10」が3つ同梱されている。CT10はクラブのグリップエンドの穴にセンサーをねじ込み、S62とペアリングすることで使用する。そもそもS62にはショットを感知する衝撃センサーとGPS機能を組み合わせて飛距離やボールの位置情報を記録する「オートショット」という機能が付いているが、CT10をクラブに取り付けることでより正確な情報収集が可能になる。特にウェッジやパターはショットの衝撃が弱くてS62では検知できないので、CT10を取り付けると効果的なのだ。
- ガーミン
アプローチ S62 ホワイト、CT10×3個セット
デジタル、樹脂ケース×セラミックベゼル、ケース径47㎜、厚さ14.8㎜。68,200円 クラブトラッキングセンサーのCT10を3個同梱。CT10はクラブのグリップエンドにねじ込んで使用する。ウェッジやパターに取り付け、より精度の高いデータ収集を行う。ちなみに僕は14個セットを購入し、全てのクラブに装着済み。
S60(右)と比較してみる。バッテリーが進化して、連続使用時間は20時間に。ケースサイズは1㎜拡大したが、ベゼルデザインがスマートになって、液晶画面も拡大。より高級感が増している。
普段、シングルゴルファーの友人たちとラウンドすることが多いので痛感するのが、ゴルフというのはつくづく経験値のスポーツである。傾斜、ハザード、距離など、毎回打つコンディションは異なるが、経験を積むほど、どうすべきかが見えてくる。逆にプレー頻度が少ないと、毎回初めてのことばかりなので、きちんとフレッシュなミスをする。だからこそ、クラブの選択や目標に対する距離感といった経験が必要な部分だけでも、デジタルの力で補うのだ。
しかもS62はスマートウォッチとしての機能もブラッシュアップしており、ガーミンペイでは交通系ICも使えるようになったし、光学式心拍系を搭載しており、心拍数のモニタリングや消費カロリー、ストレススコアなども計測できるようになった。
もちろんデザインもいい。セラミックベゼルは薄型化しただけでなく、斜面がポリッシュ仕上げになっているのでキラリと輝き、モダンな雰囲気がある。ホワイトモデルはモノトーンなコーディネートになりがちな冬の装いに清潔感のある差し色を加えてくれるし、ゴルフファッションのアクセントにもなってくれるだろう。またストラップは交換可能になっているので、赤やオレンジ、ブルーなどカラフルな別売りストラップと組み合わせてアクセサリー的に楽しむこともできる。
もはや「アプローチ S62」は、単なるゴルフギアではない。ゴルフも得意な、お洒落系スマートウォッチと呼ぶべきだろう。
安定したスイングを行うための「スイングテンポ」機能は、普段の練習に最適。赤いインジケーターは「速い」ということでなので、バックスイングをもう少しゆっくりせよとのアドバイスだ。
コース図(ハザード)
GPSゴルフナビの主な機能は、コースを表示すること。しかもS62はハザードまでの距離も表示できるように。ピンポインター
谷や森へとボールを打ち込むと、グリーンが見えない。しかし「ピンポインター」機能を使うと、どこにピンがあるかがわかる。これは便利だ。手首への収まり
重量感のあるコートと合わせてみる。モノトーンの配色の中で、“時計の白”が効いている。