2024.03.11

高級コネクテッドウォッチは、戦力になりうるか？

旅の準備が好きだ。これから起きるだろう色々なことを考えながら、持っていくアイテムを選んだり、買い足ししたりすることで、旅の気分が盛り上がってくる。その時間そのものが好きなのだ。
　旅の準備には、当然、時計の準備も含まれる。旅の内容や行先、現地での日程や季節や気候などを考えながら、適切な時計を選ぶのもまた楽しいことである。
　2023年の年始は国内旅行に行ったが、その際に選んだ時計は、タグ・ホイヤーの「コネクテッドキャリバー E4」だった。旅先ではマップアプリが手放せないが、雪深い東北に行くとなるとポケットからスマホを取り出すのはかなり億劫だ。といっても仕事の連絡が入ってきそうなので、メールチェックは頻繁にしたい。さらには宿もそれなりに高級なので、場にあったクラス感のある時計を選びたい。そう考えると、「コネクテッドキャリバー E4」はかなりベストな選択肢といえるだろう。

タグ・ホイヤー
コネクテッドキャリバー E4
デジタル、SSケース、ケース径42㎜、50ｍ防水
￥159,500
ここはどこ？　そんな旅先での不安を解消してくれるマップアプリが大活躍。

こちらの商品を購入したい方はこちら

　そもそもタグ・ホイヤーは、高級時計ブランドの中ではかなり積極的にコネクテッドウォッチに力を入れている。アップルウォッチが発売された2015年からプロジェクトをスタートさせ、現代のデジタルトレンドを読み解くかたちでラグジュアリーコネクテッドウォッチの市場をけん引。「コネクテッドキャリバー E4」はその第四世代となり、使い勝手はもちろんのこと、デザイン面でも力強く進化している。
　時計を着用してまず感じるのは、そのサイズ感の良さだ。コネクテッドウォッチの場合、画面サイズは使い勝手に大きく関わってくる。42㎜というコンパクトなケース径でありながら、ベゼル部分を細くしているので画面は比較的広くなり、視認性を高めているのは見事である。
　しかもケースはヘアラインとポリッシュで巧みに仕上げ分けており、タグ・ホイヤーらしい高級感は申し分ない。そしてストラップは簡単に変更できるインターチェンジャブル式になっており、バックル部分は微調整が可能なタイプを採用。ここも高級時計らしいつくりになっている。

　旅先では、やはりマップアプリが大活躍。雪深い街を抜けて神社を目指した際も、迷わず目的地へと導いてくれた。残念ながらバッテリーは一日持たず、毎晩充電する必要があったが、それは許容範囲であろう。ウォッチフェイスも充実しており、昨年から話題となっているポルシェとのコラボレーションモデルを模したものがお気に入り。アラビア語数字インデックスが、夜光塗料にように明るく光るのも好みである。

ケース径は腕なじみの良い42㎜。ウォッチフェイスがかっこいいというのも、嬉しいポイントに。
ベゼル周りがきれいにデザインされており、高級感に優れる。さすがはタグ・ホイヤーである。

こちらの商品を購入したい方はこちら

　この「コネクテッドキャリバー E4」だが、もちろん普段用の時計としても活躍してくれる。仕事先で会う人は基本的に時計関係者や時計好きが多いのだが、「あれ、新しい時計？」といい感じのリアクションしてもらえる。そしてコネクテッドウォッチであることを伝えると、誰もが驚いてくれる。ブランド側からすると必ずしも褒め言葉ではないのかもしれないが、「コネクテッドウォッチらしくない」ルックスも、機械式時計に慣れた自分にとっては嬉しいところである。

　時計は一度に一つしか着用することはできない（まれに例外の人もいるが）。だからこそ何を選ぶかを悩むこと自体が楽しいし、だからこそ自己主張にもつながる。たしかにスマートウォッチは便利な道具だが、あまりにも周囲に使っている人が多い状況だと自己主張にはならない。
　しかしタグ・ホイヤーの「コネクテッドキャリバー E4」は、利便性の高さはもちろんだが、個性も強い。高級時計好きにとっては、ちょうどいいハズシの時計になってくれそうである。