今回復刻された「マーリン®」は当時と同じ手巻きの機械式ムーブメントを搭載、スマートな見た目の薄型ケースや往年の洗練されたデザインを纏っています。ミッドセンチュリーによく見られる機能美をシンプルにまとめたスタイルは、現代でも充分に通用するスタイリッシュな趣です。
当時は金属にメッキを施した仕様でしたが、復刻版ではより堅牢性の高いステンレススチールをケースに採用し、リザード型押しのカーフレザーストラップを合わせドレスウォッチの雰囲気を演出しました。当時の外観を保ちながらその内部には現代のムーブメントを使用することにより、ビンテージウォッチ特有の精度や故障の心配を省いた本モデルは、現在的なモデルにはない独特な雰囲気を醸し出し腕元を彩ります。

1950年代半ばに発表された「マーリン®」は、当時としては珍しく「防水・防塵・耐衝撃性」を備えた時計でした。特に防水性を備えた時計が一般的でない時代だったため、これを強調するために「マーリン®」と名付けられました。またこの時計は、当時アメリカで盛んに流れたTIMEXの有名な『拷問テスト』のTVコマーシャルで使用されたことで一躍人気モデルとなりました。中でも最も人々に強い印象を与えたのが、モーターボートのスクリューに「マーリン®」を取り付け、ボートが時計もろとも海を走った後に見てみると、「マーリン®」はきちんと動き、時を刻んでいる！というセンセーショナルで少々過激なものでした（訳注：後に日本の某メーカーが米国で展開した、アイスホッケーのスティックで時計をシュートした類似コマーシャルはこれに端を発する、と言われています）。今回、おおよそ60年の時を経てこの「マーリン®」がTIMEX本社の企画として復活しました。